こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。今回は「不動産屋が考える!火災保険はどこまで補償を付けるべき?」について、お話ししたいと思います。
そもそも火災保険って本当に必要なのかなぁ。60年生きてきたけど、知り合いで火事になった家っていないんだけど…
そもそも火災保険は必要なの?
火災保険は”必要か”と考えた場合、僕は必要だと考えます。理由は「火事で家が無くなれば立て直すか引越す必要がある」・「家が無いのに住宅ローンを払い続ける」など、発生した時のリスクがあまりにが高いからです。
出火件数について
年間の出火件数って、どれくらいか皆さんご存じでしょうか。
総務省消防庁の令和2年のデータによると、総出火件数は、9,610 件となっています。これは、おおよそ 1 日あたり 106件 火災が発生していることになります。
総世帯数が5,000万世帯とした場合、5,200軒に1件発生していることになります。10年で考えると520軒に1件は出火しているので、火災に合う確率は意外と高いことが分かります。
火災保険について理解する
Q. 火災保険とはそもそも何なんでしょうか。
A. 簡単に言うと、火災が発生した時に一戸建やマンションなどの建物とタンスやテレビなどの家具を補償してくれる保険になります。
Q. 加入率ってどらくらいでしょうか。
A. 火災保険(共済含む)の加入率は約8割にもなります。ひとたび災害が発生すれば、数千万円から数億円の借金のみが残る可能性もあることから、加入率が高くなるのは当然だといえます。
契約は「新価」がお勧め
通常、火災保険料は新築でも中古でも火災保険の保険金額にあまり違いがありません。その理由は、現在の火災保険は建物を時価ではなく新価(再調達価額)で評価している人が多いからです。
新価とは同じ建物を新たに建築or購入するのに必要な金額(再調達価格)が支払られる制度のことです。それに対し、時価とは新価から毎年建物が消耗した分を差し引いた金額が支払られさる制度になります。
当然、時価契約にすれば保険料は年々下がるかもしれませんが、保険に入る目的を考えれば、新価契約がおすすめだと言えます。
補償範囲は特約で差別化
続いて、火災保険の補償範囲を説明していきます。火災保険の基本補償は「火災、落雷、破裂、爆発」になります。
火災、落雷、破裂・爆発とは、”火災が起きて建物が燃えた”・”隣地の火災による延焼を受けた”ことで建物や家財に損害が生じた場合に保険金が支払われます。
但し、火災原因以外に建物や家具を保証してくれる特約が存在しています。
火災保険の特約例
※特約の有無によっては、補償が受けられないことも考えられます。また、不要にも関わらず、補償を付けたことで毎月の保険金額の支払いが高くなってしまうケースも考えられます。
①風災、雹(ひょう)災、雪災の特約…”風で屋根の瓦が飛ばされた”・”台風で飛んできたモノで窓ガラスが割れた”ことで建物や家財に損害が生じた場合に保険金が支払われます。
このオプションは、標準で付いてくる保険会社も多くなります。突風・竜巻・台風によるガラス破損事故は毎年どこかで発生していることから、入っておいて損はないと思います。
②水災の特約…“豪雨で川が氾濫し、床上浸水が起きた”・”山が土砂崩れを起こして家屋が半壊した”ことで建物や家財に損害が生じた場合に保険金が支払われます。
水災特約は保険料が格段に高くなります。補償内容は台風や豪雨による浸水と土砂崩れです。住むエリアによっては不要になる可能性も十分考えられる為、良く考えてください。
水災補償を深堀!!
損害保険料率算出機構のデータによると、水災補償付帯率は2019年度 67.8%となっています。
- 地方自治体が発表している水害ハザードマップより氾濫予想や過去の水没実績に該当する
- 合流地点のマンホールが近くにある(または過去にマンホールの水害実績に該当する)
上記の結果、自分の住むエリアが該当していれば、水災特約に入るべきだと思います。
③水濡れ、外部からの物体の特約…“給水管が破裂し、床が水浸した”・”自動車が家に衝突して壁が壊れた”ことで建物や家財に損害が生じた場合に保険金が支払われます。
洗濯機のホースが外れてしまい、家中が水浸しになった時、このオプションで保証されるケースもあります。
④盗難の特約…“空き巣に入られ、窓ガラスを割られた”ことで建物や家財に損害が生じた場合に保険金が支払われます。
警視庁の調べてよると、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は令和元年は2万8,936件も発生しています。これは1日あたり79件も発生していることになります。
※ここで書いた事例は参考例になりますので、各保険会社の補償内容と違っている可能性もあります。なので、必ず保険会社に補償内容を確認してください。
地震による火災は保険対象外!?
最後に、火災保険で一番注意するべき点をお話しします。
それは、地震や津波の原因で起きた火災は、火災保険の補償対象外になってしまうことです。地震による火災を補償してもらいたい方は、地震保険に加入する必要があります。
地震保険とは
地震保険とは、地震・噴火またはこれらによる津波によって発生する火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する保険になります。また、地震保険は被災者の生活の安定を図ることも目的にしており、「地震保険に関する法律」に基づき、政府と損害保険会社が共同で引き受けている公共性の高い保険です。
地震保険の注意点
「地震保険」は単独で加入することができません。なので、火災保険の付帯契約になります。さらに、その補償額は火災保険の保証金額における50%が上限になります。
例えば、地震による火災の場合、火災の保証金額を1,000万円で設定しても補償金額は500万円になってしまいます。
そもそもなんで50%が上限なの?
大規模な地震が発生した場合、被害は広域で損害額も巨額になります。
当然、国の財政や損害保険会社の支払能力には限度があることから、地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の50%または一定の限度に制限されているのです。