【2021年度版】木造と鉄骨造の共同住宅を徹底比較

土地活用

こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。今回は「木造と鉄骨造の共同住宅を徹底比較」したいと思います。

今回説明している鉄骨造は、軽量鉄骨を主に説明しています。「軽量鉄骨」とは、鉄骨造のなかでも軽い鉄骨を使用した壁のない構造で、壁の部分に筋交いを使用しているのが特徴です。

まずはじめに、”共同住宅の全体にまつわること“を説明し、続いて”木造と鉄骨造の共同住宅を徹底比較“をお話ししていきます。

共同住宅の全体にまつわること

共同住宅の定義とは、2戸以上の住宅で階段・廊下・エントランス・エレベーターを有するアパートやマンションを指しています。

共同住宅の建築費

共同住宅を建築する場合、「坪単価100万円」と建築業者から言われたとします。この坪単価から土地が85坪だから8,500万円!!・・・というわけではありません。

一般的に、建築費の坪単価は「本体工事費」について表したものになります。共同住宅を建築する場合、本体工事以外にも設計費諸経費が別途必要なってきます。

建築費の予算配分を表す場合、建物工事費85%・設計費5%・諸経費10%が一般的です。先ほどの例から本体工事費は8,500万円、設計費は500万円、諸経費は1,000万円のトータル1億という計算が成り立ちます。

本体工事費に含まれているものとしては、大きく建物本体の建築費用と付帯する設備にかかる費用の2つに分かれます。付帯工事とは、”上下水道の引込”・”駐車場”・”外構費”などです。
諸経費に含まれるものとしては、”不動産取得税”・”登録免許税”・”印紙税”・”建物確認申請の手数料”・”司法書士への報酬”・”火災保険や地震保険”・”ローン融資の保険料と手数料”などです。

 

坪単価は、本体工事費の総額から建物の延床面積で割ったものになります。2階建の場合、1階50坪、2階50坪のアパートの延床面積は100坪になります。

共同住宅は30年間で2倍以上増ている

総務省の「2018年・土地統計調査」では、共同住宅の住宅数は昭和63年に1141万戸と1000万戸を突破した後、平成30年までに2倍以上増加しています。

6階建以上の共同住宅は35.6%を占めている

階数別で確認してみると、「1・2階建」の住宅数は624万戸(26.7%)、「3~5階建」は880万戸(37.7%)、「6階建以上」は830万戸 (35.6%)となっています。

木造と鉄骨造の共同住宅を徹底比較

ここからは、当ブログの本題になります”木造と鉄骨造の共同住宅を徹底比較”したいと思います。

建築費(初期費用)が安い木造

国土交通省の「平成30年度 建築着工統計」では、木造の平米あたり工事費予定額は16.8万円、それに対し、鉄骨造の平米あたり工事費予定額は22.9万円になります。これを坪単価で表すと、木造は55.8万円、鉄骨造は75.7万円で、約20万円も木造が安いことが分かります。

※この統計調査には、本体工事費のほかに、電気・ガス・給排水・冷暖房などの設備費用も含まれる

坪単価で最も大きく左右するのは構造になります。木造は、建物の柱や梁などを全て木材を使っているので、安く抑えることができます。

法定耐用年数は非木造が長い

木造の耐用年数は22年、(骨格材肉厚が3mm~4mmの)鉄骨造の耐用年数は27年、RCでは耐用年数は47年と国で定められています。

耐用年数が長い場合、その間の減価償却費を経費として計上できるメリットが生まれます。

減価償却期間の基準となる法定耐用年数が長いということは、劣化しにくい構造、つまりランニングコストが抑えられるということにも繋がります。

新築で非木造を建てる割合は87.5%

総務省の「2018年・土地統計調査」では、新築で共同住宅を建てる場合、非木造を選ぶ方は87.5%にものぼります。

1995年の阪神・淡路大震災が教訓となって防災意識が高まり、火災に強い住宅を求める理由で、非木造住宅(特にRC)が増えていると思われえます。

家賃設定が高いのは非木造

総務省の「2018年・土地統計調査」では、共同住宅の全体の家賃設定は平均55,675円となっています。

内訳は、

  • 民営借家(木造)は、51,030円(2013年)→ 52,062円(2018年)
  • 民営借家(非木造)は、63,005円(2013年)→ 64,041円(2018年)

となっています。

非木造(鉄骨・RC)の方が高い理由としては、人気エリアに建築できる高層住宅は非木造に限られるからだと思われます。

品質が安定しているのは非木造

鉄骨造を採用しているハウスメーカーでは、予め工場で組み立てているケースが多く、結果的に一定の構造品質を保ちやすくなります。

木造の場合、どうしても職人さんの腕次第なので、品質にバラツキが生じやすくなります。

木と鉄骨の構造を比較する

 断熱性能が高い「木」

断熱性能とは、家の中を暖めたり、冷やした空気の温度を保つ性能のことです。 断熱性能が高いと夏場に室内が暑くなったり、冬場に寒くなったりする心配が減ります。

但し、鉄骨でも断熱材等を使って断熱性能を高めることはできます。

劣化に強い「鉄骨」

鉄骨は一般的に木に見られるような経年劣化がありません。

鉄骨造はサビの問題さえなければ、100年でも持つと言われています。

 

地震に強い「鉄骨」

鉄骨造の主要部分は鉄骨を使用するため、木に比べると耐震性能が高く地震に強くなります。

最近では木造も倒壊するリスクは改善しています。但し、木造は揺れることで地震エネルギーを分散しているので、壁や枠が変形して建物が歪むリスクがあります。

入居者の印象

ここで木造アパートか鉄骨造アパートを選ぶ人の印象を、少し書きたいと思います。

  • 木造アパートは音漏れがする(イメージ)
  • 木造アパートは比較的家賃が安い(イメージ)
  • 木造アパートは角に柱や梁がない分広く使える(イメージ)
  • 鉄骨造は地震に安心できる(イメージ)
  • 鉄骨造は夏は暑く冬は寒く冷暖房費がかさむ(イメージ)

「木造と鉄骨造の共同住宅を徹底比較」について、最後に

共同住宅を建築する要因は、「儲かる」というよりは「節税対策のために」という人が増えていると思います。正直、20年前と比べて建築費の高騰から、アパート経営は儲かりづらくなっていると思います。

そこで、知識やリスクを事前にしっかりと理解し、アパート経営を検討していくが一番大切になってくると思います。

 

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有限会社 櫻井不動産
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