【売りたい】里道(りどう)が通っている土地を売却する方法

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こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。

今回は、敷地内で里道(りどう)が通っている土地を売却したい地主さんのお話になります。実は、里道の敷地は国有地になるので、里道を含んだ土地売買はできません。そこで、タイトルの「里道が通っている土地を売却する方法」の答えにもなりますが、”払い下げ”をすることで売却することになります。

そもそも、里道(りどう)とは、古くから道路として利用されていた土地のことですが、現在の建築基準法に定められた「道路」ではありません。

今まで勝手に里道の上に住宅を建築していたけど、大丈夫なの?

 

ここからは、里道の払い下げの方法を詳しく説明していきます。

里道とは

最初に、里道について簡単に説明します。里道とは道路法でいう「道路の敷地」に該当しない土地になります。公図で確認してみると、赤色で着色することが義務づけられた経緯もあり、赤線(あかせん)・赤道(あかみち)とも言われています。

里道の成り立ち

里道の始まりは、明治9年に遡ります。国は道路の重要度によって「国道」「県道」「里道」に分類し、大正9年、里道のうち重要なものを「市町村道」として認定しました。但し、それ以外の重要でない里道(けもの道、農道や小さな路地)は、旧道路法が適用されない、法定外公共物として管理されることになりました。

ちなみに、道路法が適用される国道・県道・市道のように、法律が適用されるものは「法定公共物」と呼ばれ、里道は道路法が適用されない「法定外公共物」と呼ばれています。

里道の現況について

里道の現況ですが、実際に道路としての機能を残しているものもありますが、長年のうちに、山林や田畑、宅地の一部になっているものもあります。この宅地の一部となっている里道には、新たに建物を建築することはできません(国有地なので)。そこで、「里道の払い下げ」が必要になってくるわけです。

里道を払い下げるには

払い下げとは、使われることがなくなった里道(法定外公共物)を国または市町村から購入することです。当然、現に里道として利用されているような場合は払い下げはできません。

里道を払い下げる理由

本来、「里道」は国の財産ですので、勝手に使用はできません。もちろん、里道を含んだ土地を、そのままで売却もできません。また、里道があることで、住宅ローンが組めなくなる可能性もあります。

里道の払い下げる方法

1. 官民境界確定手続きを行なう

里道の払い下げにあたっては、最初に境界確定の手続きが必要です。県に官民境界確定申請を行いますが、通常、土地家屋調査士に依頼して行います。境界確定を行う土地の範囲ですが、原則として里道に隣接する土地すべてとなります。

2. 用途廃止手続きを行なう

役所などの担当課と事前に相談し、用途廃止しても支障がないことを確認します。その後、用途廃止の同意書や面積計算書などを揃えます。仮に、一人で行うことが難しいのであれば、行政書士に依頼して行います。

3. 里道の払い下げの手続きを行なう

上述の用途廃止が決定後、申請者から市役所に「売払申請書」を提出します。

「売払申請書」には、

  1. 住民票
  2. 利用計画書
  3. 関係図面(位置図、現況図、実測図等)
  4. 既往使用料債務確認書(財産を使用されている場合)

が必要になります。

払下げが決定したら、その土地の表題登記申請を土地家屋調査士が行います。その後、表題登記の完了を受けて、所有権保存登記を行います。

里道の払下げの全体の流れ

  1. ご依頼(報酬等のお見積り金額提示)
  2. 市役所・法務局等関係機関での調査
  3. 境界確定申請(官民・民民)
  4. 境界立会
  5. 用途廃止申請(地元・隣接地所有者の同意が必要)
  6. 用途廃止決定
  7. 払下申請
  8. 土地売買契約・土地代金払込
  9. 土地表題登記・所有権保存登記
  10. 手続完了(登記識別情報・測量図等の成果物のお引渡し)

里道の払い下げ費用

払下げ費用につきましては、周辺の取引事例や路線価などを考慮し算定されます。また、所有権保存登記等にかかる登記費用も必要になります。

里道の取得時効について

何年も里道を敷地として利用してきた場合には、取得時効できる例もあります。ただし、取得時効するには、色々な条件がありますので、取得時効の条件を確認してください。

「里道」について、最後に

里道ですが、新興住宅地や土地区画整理が終わった土地は大丈夫ですが、岡崎市内でも里道はまだまだあります。里道の有無ですが、公図から地番が入っていない土地がある場合は、役所に確認をしてみてください。その結果、市町村が所有している里道であることが結構多いです。

実は里道だからといって、常に払い下げの必要はなく、土地の端にある場合(建物を建てない場所)などは、建築基準法上の緩和する条件にもなることがあります。但し、建築物の中心に里道がある場合は、払い下げした方が良いと思われます。

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有限会社 櫻井不動産
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