こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。
今回は、買取業者から「旗竿地(はたさおち)を含んだ分譲用地として購入するので、買取価格は○○○○円です。」と言われた地主さんのお話です。地主さんは、もっと高くで売れると思い、買取業者に理由を聞きました。買取業者の説明では「どうしても、道路から離れた奥の土地は旗竿地(はたさおち)になってしまい、その分値段が下がってしまう。」との回答でした。
では、何故、旗竿地(はたさおち)になると、買取価格は下がるのでしょうか。
答えは、旗竿地は「路地があり、四方を建物で囲まれているから」です。そこで、「知って納得、旗竿地について調べたみた件」と題し、ここから詳しい理由を説明していきます。
旗竿地(はたさおち)って初めて聞いた人も多いと思います。でも、国内では旗竿地は、意外と多く存在しています。
旗竿地とは
まず最初に、旗竿地について説明したいと思います。旗竿地とは、見たとおりの”竿についた旗のような形の土地”になります。旗のような土地が生まれる理由は、建築基準法第43条と深く関わりがあります。建築基準法では、建築物の敷地は道路に2m(ないし3m)以上接しなければならない義務を設けており、道路に接してない土地は路地を設け、道路に接道するようにしないといけません(但し、接道義務は都市計画区域と準都市計画区域内にだけ存在するので、田舎では接道義務がない地域も存在しています)。
路地状部分の幅についても規制あり
実は、道路に接道する路地状部分の幅は、各地自体が設けた数値以上にする必要があります。例えば、愛知県の場合は、以下の幅が求められます。
これをみると、路地状部分の長さに比例し、路地状部分の幅を広く設定することが分かります。
旗竿地の買取値段が下がる理由とは
冒頭でもお話した通り、旗竿地の買取値段が下がる理由は”路地があり、四方を建物で囲まれているから”とお伝えしました。でも何故、路地や四方を建物で囲まれたら、買取は下がるのでしょうか。そこで、それぞれ詳しい理由を説明していきます。
路地の利用用途は、通行するのみ
路地の利用用途は通行することに限定されるからです。路地状部分では、基本的に人や車が出入りする道の扱いになるため、建物を建てることができません。
道路として使う土地に対し、高いお金を払う人は確かにいないよなぁ。
四方を建物が囲む土地は、デメリットが多く、市場価値が低い
買主にとってのデメリットが多く、市場価値が低いからです。ここからは、デメリットになる4つの理由を説明します。
デメリット1:生活インフラの整備が高くなる
旗竿地の場合は、水道管が敷地内に通っていないことがあります。その場合は、水道を本管から引かなくてはならなくなり、水道引込費が高くなります(電気も同じようにことが言えます)。
デメリット2:採光や風通しが悪い
旗竿地の場合は、どうしても四方は建築で囲まれることが多くなります。結果、建物の高さによっては、太陽光が遮られ日当たりは悪くなりますし、また、風通しも悪くなってしまいます。
デメリット3:駐車が難しい
旗竿地の場合は、路地状部分の幅はギリギリの”2m”になることが多く、とても狭いです。運転する人は、塀やフェンスにぶつける恐れがあるので、毎日の運転がとても苦痛に感じるかもしれません(また、ベビーカーが通れない、人が通りづらいなど、通り道としての問題もあります)。
デメリット4:泥棒が入りやすい
旗竿地の場合は、一旦侵入してしますと、通行人には見つかりにくく土地になります。なので、泥棒にとっては、好都合な条件なので、泥棒が入りやすい住宅になります。
上記理由より、買取業者は路地状部分の土地を”無価値”もしくは”市場より安い値段”で購入します。また、四方を囲まれた旗竿地自体も、高値が付きにくく、どうしても安い値段になります(買取業者は、高く買ってくれる買主がいなければ、土地を安く買うしかありません)。
なら、旗竿地を作らない分譲住宅にすれば、良いのでは?
売主としては「なら、旗竿地を作らない分譲住宅にすれば、良いのでは?」と考えると思います。しかし、日本の住宅事情を説明すると、大きな庭を求める人は年々少なくなっています。その代わりに、30~40坪ぐらいの狭小住宅を求める方が、年々増加していることもあり、買取業者も売れない分譲住宅を作ることはできません。土地の形状を考慮して分譲する結果、旗竿地が生まれるケースは結構あります。
「旗竿地」について、最後に
旗竿地ですが、都心では『虫食い状住宅地』とも言われ、上手く土地活用した住居が多数存在しています。旗竿地は、売却する時は難しいと良く言われていますが、建築物を工夫することで、意外な高値で売買しているケースもあります。もし、売却等の相談がございましたら、我が不動産までご連絡ください。