こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。2020年4月23日 現在、弊社ではコロナ禍の影響から、オーナー様より賃料減額における相談が増えています。そこで今回は『新型コロナウィルス禍の賃料減額請求』について、お話をしたいと思います。
外出規制の影響で、喫茶店の利益が今月80%も下がってしまった。色々対策はしているが、現状ではテナントを閉め、コロナ禍が落ち着くのを待つしか無い状態である・・・
賃料減額はどのような場合に認められるか。
まずはじめに、裁判や調停において賃料減額が認められるケースをお話致します。借地借家法32条では、
- 土地建物に対する租税その他の負担の増減 ←消費税
- 土地建物の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動 ←地価の高騰・インフレやデブレなど
- 近傍同種の建物の借賃と比較して不相当 ←アパートなど入居するタイミングで著しく賃料が違う
となった場合、賃料増減請求が認められることがあります。単純に賃料が高い理由では減額請求は認められません。
オーナー様の対応としては
オーナー様は賃料を減額する義務はないので、借主さんからの要求を突っぱねることができます。但し、オーナー様には賃料を減額しないことによる “テナント退去のリスク” を良く理解してください。
“テナント退去のリスク”を考える
借主様から交渉の申し入れがあるうちは「事業を継続したい」という想いがあるというです。この申し入れを断った結果、借りたい人を失うリスクがあることを十分理解してください。2020年4月23日 現在、きっとコロナ禍の影響から新しい借主様を見つけるのは困難です。また、新しい借主様が見つかったとしても、今より賃料が下がる可能性も十分ありえます。
オーナー様の選択肢
まずは賃料値下げが最終手段であることをお互い認識し、一定の協力を得ることで借主様の経営が継続できるのであれば、オーナー様は検討するべきだと思います。
では、具体的にどのような値下げ交渉があるのか列挙してきます。
- 賃料の減額に応じる。→【重要】きちんと期間を定めておく。
- 敷金から相殺する。→【重要】滞納した時のリスクが増える。
- 賃料の支払いを猶予する。→【重要】賃料回収不能のリスクが増える。
賃料値下が最終手段であることを認識
借主様の中には、”経営が悪くなっていないのに便乗交渉してくる方”や”国の各種補助金、セーフティネットを活用していない方”がいるかと思います。まずは、借主様が最終手段である意識を確認してみてください。
減収事業者家賃対策が動き出す
国土交通省は、新型コロナウイルスで打撃を受けた飲食店などを救済するため、店舗などの借り手に対して家賃補助を検討し始めています。今後、申請方法や補助内容が具体的にまとめられてくると思いますので、オーナー様も国の方針を注意しておいてください。