【後悔しない土地選び】購入予定の土地が道路後退!?それってどういう意味??

土地で後悔しない

こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。今回は、「購入予定の土地が道路後退!?それってどういう意味??」 をお話しします。

Aさんは日当たりの良い土地を探しており、運よく理想的な土地を見つけることができました。その後、新築を建築する為にハウスメーカーと打ち合わせを行っていた頃、建物が建築できる面積(=土地の有効面積)は10㎡減ること、費用が70万円かかることが判明し、Aさんはビックリしました。※10㎡は約3.0坪、6畳分にもなる

土地の有効面積が10㎡減る理由は、”道路後退が必要な建築基準法42条2項道路に該当する“からだったのですが、Aさんは売買契約時の仲介業者の説明を良く理解していませんでした。

道路後退!?それって土地が減ってお金がかかる意味だったの??

道路後退のある土地とは、簡単に言えば使えない土地があるということです。本来、すべての土地はAさんが自由に使うことができます。但し、この建築基準法42条2項道路(別名 みなし道路)に該当した場合、Aさんの土地の一部は道路として提供しなければなりません(そうしないと、建物を建築することができなくなる)。

道路後退(セットバック)とは

建築基準法では、接道する道路の幅員は4m以上に面してない場合、建物を建築することができないと定められています(接道義務)。

但し、幅員4m未満の道路に面した土地でも、特定行政庁の指定に基づき、土地を道路後退(セットバック)により将来的に4m以上の幅員を確保することを前提にすれば、建築基準法上の道路として認められるのです。ちなみに、このような道路は、”建築基準法第42条2項道路“と呼ばれています。

道路後退は、別名:セットバックとも呼ばれています。

道路の幅員が4m求められる理由

ちなみに、建築基準法で道路の幅員を4m以上求めている理由は、住民の安全を守る為です。

例えば、火災が発生して消防車両が通るには最低でも3m、ドアの開閉を考慮すれば4mぐらいは必要になります。また、地震等においても、道路の幅員が狭せれば、速やかに安全に避難することができないことも考えられます。

但し、勝手にセットバックしてもダメ

建築基準法第42条2項道路として認められるには、行政の指導が必要になります。なので、自らセットバックしても要件を満たすわけではないので、必ず各自治体に相談するようにしてください(新築や建替の場合、建築するハウスメーカーが代理で行ってくれるとは思います)。

セットバックについて、知ってほしいはことは2つ

セットバックについては、少しご理解頂けたと思います。ここからは、後悔しない土地選びの本題でもある”セットバックについて、知ってほしいことを2つ”ご説明したいと思います。

1つ目:土地の有効面積が減る

1つ目は、セットバックをすれば、当然に建物が建築できる面積(=土地の有効面積)は減ります。実際、どの程度減るかは(行政の指導にもよりますが)、次の計算方法から把握できます。

セットバックの計算方法

◆セットバックは、道路の中心線から水平線で2m距離を空けることが求められています。

セットバック ={建築基準法で定めされた幅員(4m)- 実際の道路の幅員} ÷ 2

Ex. 道路幅が2mであれば、4-2÷2=1.0m後退する必要があります。

◆続けて、セットバックに必要な土地面積は以下となります。

セットバックに要する土地面積 = セットバックする長さ × 間口

Ex. 間口が10.0mで1.0m後退する場合、10㎡となります。

2つ目:セットバックの費用負担

また、セットバックを行う費用は、土地所有者様の負担になることも理解してください。具体的には、①測量費(境界確定測量・現況測量)②宅地と道路を分ける登記費用、③道路用地部分の仮整備(アスファルト舗装など)などが必要となり、ざっと70万円程かかります。

自治体の”狭あい道路”を活用すれば、費用負担は0円!?

自治体では、セットバックが必要な幅員4m未満の道路を”狭あい道路”と呼んでいます。この狭あい道路に対し、必要な費用を各自治体が全額(もしくは一部)負担してくれるケースがあります。なので、各自治体による補助の有無をホームページ等から確認してみてください。

【補足】”私道負担”の明記に注意

土地の物件情報(チラシ等)を確認していると、”私道負担“と明記されていることがあります。実は、この私道負担は、道路後退(=セットバック)の意味で書いていることもあります。

私道負担とは、①(分譲地などの)土地を購入した人々の共有名義にしている私道がある、②(分譲地などの)土地を購入した人々が私道を細かく分筆し、各々が土地の一部を所有している、③道路後退(セットバック)が必要など、いくつかの理由で使われています。

「購入予定の土地が道路後退」について、最後に

購入予定の土地物件情報(チラシなど)に、”道路後退、セットバック、私道負担”の明記があれば、

  1. どれくらいセットバックが必要になるのか
  2. セットバックに要する費用はいくらか
  3. セットバックする土地は、購入価格に反映されているのか
  4. セットバックは売主さん負担で行ってくれないのか

などを確認してみてください。有効面積が減ることに加え、費用負担する可能性があることを十分理解し、後悔しない土地選びにしてください。