こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。
今回は、「後悔しない土地選び」の続編です。以前、『北道路や東道路や西道路の日当たりは大丈夫?』のブログを書かせて頂きました。その中で、”南向きの間取にするには南道路が一番良い”とお伝えしています。但し、南道路であれば、全て日当たりが良くなるとはいえません。その理由の一つに、”間口の広さ”があります。
そこで、今回は「南道路でも間口が狭いと日当たりが悪い!?理想的な広さとは」について、ご説明していきます。
家にとって、間口の広さはとても重要です。また、家の外観や車の止め方にも影響してきます。
間口(まぐち)とは
“間口の理想的な広さ”の話をする前に、間口について簡単にご説明します。間口とは、土地や建物の正面の幅になります(前面道路に面する部分)。それに対し、土地や建物の長さを”奥行き”といいます。また、マンションではバルコニーなどの大きな開口部がある面を、間口としていることが多いです。
道路が2つ面している角地などの場合は、玄関がある面を間口とみなすことが多いです。
間口の広さが影響すること
続いて、”間口の広さが影響すること”をお話します。実は、間口の広さは、土地や建物にとても影響します。ここでは、間口が影響する3つのことをお話していきます。
1つ目:建物の外観
1つ目は、建物の外観です。間口が広い建物の場合は、正面から見てドッシリと重厚感ある建物に仕上がることできます。逆に、間口が狭くなると、建物は閉塞感が生まれやすくなります。また、屋根も急こう配になるなど、思い描く外観を作れない可能性がでてきます(重心も高くなり、外観をまとめるのが困難になる)。
2つ目:車を止める配置
2つ目は、車を止める配置です。楽に駐車できる駐車場の幅は、2.5m/台と言われています。また、隣地との境界ブロックや人が出入りする部分も考慮する必要があります。そうなると、間口が狭い場合は、2台・3台並べて駐車することができず、縦列駐車にするなどの工夫が必要になります。
3つ目:リビング(家の間取り)
3つ目は、リビング(家の間取り)の配置です。リビングは日当たりや風通しを気にする方も多いかと思います。理由は、リビングは家族にとってくつろげる場所であり、一番多く時間を過ごす場所だからです。
但し、間口が狭いことで、せっかく南道路を購入しても南向きにリビングを配置できない可能性が出てきます。
間口が狭い体験談
続いて、実際に住んだ方の意見をお話していきます。
- 南道路でも間口が狭いため、リビングは北西に配置した。どうしても日中は暗くなるので、もっと間口が広い方が良かった。(I様)
- 企画メインのハウスメーカーでは、間口が狭い理由から住宅建築を引き受けてもらえなかった。(O様)
- 駐車する幅が狭いので、毎回、駐車するのがとても苦痛に感じる。(K様)
- 間口が狭いため、売却する時の価格が安くなった。(A様)
- 隣地との距離が近く、日々のプライバシーを保つのが難しい。(T様)
理想的な間口の広さとは
ここからは、今回の本題でもあります「理想的な間口の広さ」について、お話したいと思います。今までの体験等になりますが、間口が8.5m以上あると、かなり家の設計では自由度が出ると思います。
以下、詳しくご説明します。
【条件】…家族構成は4人家族と考えた場合
- 玄関は、1.6mほどにして、下駄箱+土間収納を確保します。
- リビングは、8畳(=12.96㎡)だとすると、4.32mx3.0mになります。
- 壁の厚さは、15cm前後になるので、外壁+室内を4つ設け、合計0.6mとします。
- 隣地との距離は、民法上、隣地の境界線から0.5m離す必要があり、加えて1m未満に窓を設置する場合には、目隠しが必要になります。以上より、隣地から1m離すことにします。
上記を合算すると、1.6m+4.32m(大きい方)+0.6m+2.0m=8.22mとなり、余裕を持たせ8.5m以上あれば、理想的な間口になると考えます。
『理想的な間口の広さ』について、最後に
最後に、間口が狭い狭小住宅でも、問題を解決してくれる建築士さんはたくさんいます。確かに、理想的な間口の広さはありますが、工夫次第で快適な空間にすることは可能です。なので、良い建築士さんに巡り合うことは、間口の大小に関わらず、大切なことだと思います。