【後悔しない土地選び】高い擁壁(ようへき)の土地にはご注意ください

土地で後悔しない

こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。今回は、「高い擁壁(ようへき)の土地にはご注意ください」 をお話しします。

ある日、Aさんは高台にある土地を購入しました。但し、そこは山を切り崩した崖地だった為、3m程度の擁壁があったのですが、Aさんは擁壁には特に気を留めていませんでした。その後、その擁壁は水抜き穴がない排水機能が著しく乏しい倒壊リスクの高いことが判明したのでした。

頑丈で立派なコンクリートの擁壁だったので、特に気に留めていなかったけど…倒壊リスクが高いと言われ、後からとても不安になりました。

Aさんのような擁壁は、不適格擁壁と言われ、法律が施行される前の擁壁ではよくある事例になります。不適格擁壁とは、検査済証がない、確認申請していないなど、倒壊リスクが高まっている危険な擁壁だと言えます。

 

ここからは、擁壁について詳しく説明し、続けて擁壁のある土地の注意点をお話したいと思います。

擁壁とは

そもそも擁壁とは、高低差のある土地の斜面が崩れないように、コンクリートやブロックで斜面を壁状に覆い、土砂崩れを防く構造物になります。高低差のある土地は、高い方の土地の上に載る建物の荷重、地震、土の中に溜まった雨水などの水圧など、さまざまな圧力がかかるため、斜面が崩れやすくなります。そのため斜面の土を留める必要があり(土留め)、擁壁とは土を留めるための壁状の構造物を指します。

擁壁は、山を切り崩した傾斜地などの土地によく見かけますが、街中でも盛土を行った土地でも擁壁を設ける場合もあります。

法律と擁壁について

また、建築基準法の法律でも擁壁について規定があります。建築基準法では、”建築物の敷地において2mを超える擁壁を築造する場合、建築確認申請が必要になる(通称、がけ条例)”と明記されています。ちなみに、申請してから許可がおりるまでには、1カ月程度かかります。

宅地造成工事規制区域では知事の許可

また、お住いの地域が宅地造成工事規制区域に該当している場合、建築確認申請だけてはなく、各都道府県知事の許可が必要になります。

宅地造成工事規制区域とは、がけ崩れや土砂災害等が特に懸念される区域に該当し、宅地造成工事の規制を行うことを目的に1961年に制定されました。目的は災害防止のために必要な規制になります。

擁壁のある土地 メリット

ここで少し、擁壁のある土地のメリットについて、お話ししてきます。

高低差がある土地の最も大きなメリットは、購入価格が安いということが言えます。また、眺望(ちょうぼう)が良いことや南垂れの土地であれば、日当たりも良くなります。

場所によっては綺麗な夜景が見れたり、夏には花火が見えやすいなど、眺望の良さは傾斜地ならではの魅力です。また、傾斜を利用した住宅には、外から中が見られにくいこともあり、リビングのカーテンを開けた開放的な生活が送れるかもしれません。

高い擁壁の土地のデメリット(注意点)

ここからは、高い擁壁の土地のデメリット(注意点)をお話ししていきます。

デメリット①造成工事や建築費用が高い

メリットでは、土地の購入価格が安いとお伝えしましたが、その反面、高い擁壁の土地は造成工事や建築費用が高くなります。目安として”1㎡で1~10万円”、おおよそ300~400万円程かかってきます(面積によって違います)。

デメリット②建築可能面積が減る

続いて、デメリット②ですが、崖地条例や宅地造成規制法により、擁壁部分から数メートル離して建築する指導が入ることが考えられます。崖部分から離す必要から、その面積分は建築可能面積が減ってしまいます。

場合によっては、建物が建築できない可能性も出るので、事前にハウスメーカーや不動産屋と相談してください。

後悔しない為にも専門家と相談する

高い擁壁のある土地を購入する場合、自己判断するのではなく、ハウスメーカーや不動産屋の意見を良く聞いてください。既に擁壁がある場合でも、補修・やり直しは必要になる可能性は十分にあります。

擁壁の耐用年数は20年以上から劣化が始まる

コンクリートで造られた擁壁の場合、耐用年数は”30〜50年“と言われています。特に20年を経過したあたりから急激に劣化が始まるため、擁壁の危険性を自分でも確認してみてください。例えば、目視で「排水機能はあるのか」「ひび割れがないか」「白い物質(白いチョークみたいな)が広がっていないか」などは確認できると思います。

特に中古住宅の購入を検討される方は、①がけ条例をクリアした基準になっているのか、②擁壁の補修・やり直しは必要ないのかをハウスメーカーや不動産屋に確認してください。

補助金・助成金の確認

また、市区町村によっては、擁壁工事における助成金があることがあります。なので、ハウスメーカーや不動産屋を経由し、各自治体に確認してみてください。

「高い擁壁の土地にはご注意ください」について、最後に

お住いの地域が宅地造成区域であったり、購入した土地に高低差があるなど、擁壁が必要な土地はいくつもあります。擁壁のある土地は、確かに初期費用もメンテナンス費用も掛かりますが、見た目は重厚感があり立派な建物に見える側面もあります。アメリカ・ロサンゼルスの高級住宅地「 ビバリーヒルズ」を想像すれば、山を切り崩した住宅街に住んでみたい気持ちになりませんか?

 

 

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有限会社 櫻井不動産
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