【後悔しない土地選び】災害に強い土地は、地目さんに聞きましょう

土地で後悔しない

こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。

今回は、「後悔しない土地選び」の第2回目「地目」 について、調べてみました。

そもそも地目って聞きなれない言葉ですよね。僕も不動産屋のお仕事するまで、知りませんでした。

地目を簡単に言うと、土地の利用用途に関する歴史 なります。地目を知ることで、軟弱な土地であるとか過去に天災があった土地など、いろんなことが分かってきます。

地目とは

地目は土地の利用用途に関する歴史であるとお伝えしました。では、利用用途はどのように表しているのでしょうか。答えは「名称」で表しています。

名称は、田・畑・宅地・池沼・山林・原野・墓地・水道用地・公衆用道路・公園など23種に区分されています。

例えば、地目が”田”の場合は、「昔はこの土地を田んぼとして使っていた」ということが分かります。もしかしたら、この一帯は田園風景が広がっていたのかもしれません。

地目はいつ頃から始まったの?

地目が始まった時代は、明治時代の地租改正に遡ります。

地租改正とは、1873年(明治6年)に明治政府が行った租税制度改革です。この改革により、日本にはじめて土地に対する私的所有権が確立したことから、 土地制度改革としての側面を有しています。今でいう固定資産税にあたります。

この地租改正において土地の所有者や地目を把握するため、明治政府は村ごとに土地台帳を作成しました。ちなみに土地台帳は、税金の徴収に使われるものであるため、税務署に置かれていました。

土地台帳は、1960年に廃止され、課税台帳(=固定資産税)としての役割からは外れました。

現在の地目は、「登記事項証明書」に掲載されています。登記事項証明書は、法務局で取り扱っていますので、興味がある方は法務局で確認してください。

登記事項証明書を取得する方法

登記事項証明書の申請用紙に記入して、法務局の窓口に出すだけでOKです。手数料は1通600円です。土地と建物の両方取得する場合は、2通1,200円となります。

ちなみに、昔は紙のバインダーで保管されており、この紙を法務局がコピーをして認証分を入れたものを登記簿謄本と呼んでいました。現在では、コンピュータ化によって登記簿も紙ではなくデータで保存しています。

ずっと昔の地目を知りたい場合は?

登記事項証明書ですが、過去(=明治時代頃まで)を遡って、どのような地目だったのかまではわかりません。そんな時は、旧土地台帳から過去の情報を得ることができます。

旧土地台帳を取得するには、登記事項証明書の空白部分に「旧土地台帳写し」と記入し、法務局の窓口に出してください。

固定資産税課税明細書でも地目は確認できる

土地をお持ちの方であれば、毎年4月~5月、市区町村から固定資産税納税通知書が送られてきていると思います。明細書を確認すると、”登記地目”と”現況地目”の2種類存在していることがわかります。

でもなぜ、登記地目(とうきちもく)と現況地目(げんきょうちもく)の2種類存在しているのでしょうか。

登記地目とは、法務局に登記されている地目のことをいいます。登記は申請主義(申請人が申請をしないと登記がされない)であるため、土地の利用状況が変化しても、申請人からの申請なしに法務局が地目を変更することはありません。

それに対し、現況地目とは、実際にその土地がおかれている状況のことをいいます。毎年、調査員(市職員)が、固定資産税の課税対象となる土地と家屋の現況調査を行っています。

上記の理由により、登記地目と現況地目が違っていることがあります。

土地の購入時は、「地目」に注目!!

登記事項証明書等に「地目」が掲載されていることが分かりました。ここで、土地を購入される方は、是非、地目に注目してください。また、過去の地目も知るために、旧土地台帳も取得してください。

仲介業者は過去に遡ってまで地目を報告する義務はありません。なので、自ら調べるか仲介業者に過去分を依頼してください。
ここから、地目ごとに関する注意事項を詳しく説明していきます。

地目が”田”や”畑”の場合

地目が”田”や”畑”の場合は、軟弱地盤である可能性が高いので、地盤改良工事の必要があるかもしれません。また、住宅を建てる時に農地転用が必要になります。

地目が”ため池”や”池沼”の場合

地目が”ため池”や”沼地”の場合は、土質の水はけが悪く湿気が多いので、カビ・シロアリ・腐食を引き起こし、建物の劣化が早くなるかもしれません。また、埋立で利用した土には、ガラが埋まっていることもあるので、注意が必要です。

地目が”山林”の場合

地目が”山林”の場合は、土砂災害などに見舞われる可能性があります。山林を切り崩した宅地造成の場合は、土砂災害危険区域や急傾斜地崩壊危険区域に指定されていることが多く、豪雨など土砂災害の危険性が高くなります。

「地目」について、最後に

土地の歴史を知れる地目ですが、旧土地台帳と登記事項証明書の種類は若干違っています。

現在は使っていない地目としては、郡村宅地、市街宅地、大蔵省用地、官有地、府県社地、郷村社地、招魂社地、野地、軌道用地、水面埋立地、土揚敷、稲干場、荒蕪地、荒地、死獣捨て場、監獄用地、行刑場(処刑場)などがあります。

こう見ると、「大蔵省用地」や「死獣捨て場」など、現在では想像つかない土地の利用用途があったのだと、驚かされます。