こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。
今回は、「土地を買う時の注意点」ということで、家を建てようと思った買主さんが、地中からガラが出てきた時の話をします。土地の中からガラがでれば、通常は売主さん負担で撤去します。しかし、今回は買主さん負担で、撤去することになりました。
そもそも「ガラ」って、なに？
なぜ、不動産屋は「ガラ」って呼ぶ？
ガラって何？名称の由来は・・・
「土地の中にガラが入っていた。撤去費が○○円になる…」と、解体屋が話をしていました。そもそも「ガラ」とは、産業廃棄物や建設廃材の総称だそうです。コンクリート片や瓦礫もガラになります。昔は、業者が建築中に土に混ぜたガラを埋めたり、家庭廃材を庭に埋める人が多かったそうです。ちなみに、ガラの由来は、ユンボやブルドーザーでかき回した時に、ガラガラと音がするものを略してガラと言うそうです。
ガラの撤去費用は誰の負担?
ガラが地中から出てきた場合は、通常は 売主さん負担 で撤去して頂くことになります。ガラは建築中に発覚することが多く、売買後のトラブル原因でよくある話です。ただし、いつまでも売主さんが責任を追及されると大変なので、売主さんを保護する為にも、売買契約書には「瑕疵担保責任の期日」の特約を設けるのが通常です。
瑕疵担保責任の期限をすぐに確認
ガラが見つかった場合は、買主さんは売買契約書の「瑕疵担保責任の期限」をすぐに確認してください。期日を経過すると、売主さんに費用請求ができなくなる可能性が 大 です。
一般的には、売主が負う瑕疵担保期間を「引渡後3ヶ月」と責任期間を限定することが多いです。
直ぐに家を建てない場合
買主さんは、直ぐに家を建てない場合でも、地盤調査は速やかに行った方が良いと思います。地中には、売主さんでも把握していない、大きな石やコンクリート片などが入っている可能性があるからです。
また、地中にガラが埋まっていない場合でも、土壌汚染の可能性があります。工場や薬品会社の跡地、場合によっては農地も土壌汚染調査が必要です（農地は農薬を使うので）。
ただし、期間がない場合もある
売買契約書によっては、瑕疵担保責任の期間を明記してない場合があります。ただし、そんな場合でも慌てないでください。その場合は民法が適用されることになります。民法上は「瑕疵を知った時から１年以内に、相手方に通知する」となっています。
事前確認は念入りに
土地の中からガラが出る可能性を、予測しておくことも大事です。確認することは、「以前までの土地利用を知ること」になります。確認方法は、仲介業者や分譲用ハウスメーカーに聞けば教えてくれます。また、売買契約前に、35条の「重要事項説明書」の”地目”を確認してください。
まずは、地目を確認
土地や分譲住宅を購入するにあたり、35条の「重要事項説明」を受けることになります。重要事項説明書には”地目”の記載がありますので、ここから土地利用が把握できます。一般的には”宅地”が多いのですが、その他に”田”、”畑”、”山林”、”原野”、”牧場”、”池沼”、”鉱泉地”、”雑種地”などがあります。
（具体例）”田”や”畑”の場合
例えば、”田”や”畑”の場合に、①水はけを良くする ②地盤を強くする の理由から、地中に大きな石を入れている方がいます。
（具体例）”池沼”や”ため池”の場合
また、”池沼”や”ため池”などの埋立地は、埋立の時に、悪徳業者がガラが入った土を入れていたことが過去にいくつかありました。
次に、現況を確認
地目が”田”だとしても、現況は駐車場や原っぱの可能性も当然あります。なので、売主さんが、「現在までどのように土地を利用していた」のか確認してください。
例えば、薬品工場やガソリンスタンド、クリーニング工場等の跡地は、有害化学物質で汚染されていたことがありました。また、人が住んでいない理由から駐車場や資材置き場の跡地は、ガラなどが埋まっていることも多いです。
「土地を買う注意点：ガラ」について、最後に
ガラの撤去費は、土地の売値以上になる可能性があります。実際に何千万もの撤去費用を請求されたケースもあります。
地主さんは、土地を事業用地や資材置き場として、貸す出すことがあるかと思います。その場合は、原状回復で返却した土地の地表だけではなく、地中も確認すべきだと思います。目に見えない分、後から売る時に大変なトラブルになることがあります。土地の賃借は、返却時にこそ、注意が必要です。