教えてSAKURA!農地転用の届出を自分で行うには?

教えてSAKURA!

こんにちは。愛知県岡崎市の不動産屋 さくらです。

今回は『農地転用の届出を自分で行うには?』について、お話したいと思います。

農地転用とは農地法の制度になります。農地法とは、戦後の農地改革(地主制の解体)の成果を維持推進するために、1952年に制定されました。

農地転用とは

そもそも農地転用とは、簡単に言うと”農地を農地以外のもの”にすることです。例えば、田んぼの土地を一軒家にする場合、畑だった土地を駐車場にする場合などは農地転用が必要になります。

農地とは「耕作の目的に供される土地」です(農地法2条1項)。この農地には、現に田や畑が行われていなくとも、耕作しようと思えばできる土地も含まれます。

 

自分の土地は農地なの!?

自分の土地が農地なのかは、土地の登記事項証明書の地目は関係なく、現況(見た目)が田や畑で判断することになります。
但し、ここで1つ注意が必要です。それは、現況は宅地や駐車場であっても、国のデータでは農地になっていることがあるのです。これは土地の所有者が農地法を十分理解しておらず、過去に農地転用の届出や許可申請していないことで発生します。
このような農地転用をし忘れた土地とは、現況は農地以外になっているにも関わらず、土地の登記事項証明書の地目が”田や畑”になっていることで判断できます。

市役所の農業委員会に行けば、農地であるか詳しく調べることもできます。

農地転用には届出もしくは許可がある

農地転用を行う場合、”市街化区域“と”市街化調整区域“とで大きく変わってきます。

市街化区域では農地転用の”届出“で良いのですが、市街化調整区域ではより厳しい”許可“が必要になります。その理由としては、市街化区域は市街化を図るべき区域であり、農地よりも人が住む宅地や駐車場などの利用を促進する土地だからです。

今回のブログでは、市街化区域における農地転用の届出を中心にお話しています。

農地転用の届出をしてないデメリット

ここから、農地転用の届出してないデメリットを2つお話しします。

①登記簿上の地目が農地で現況が農地以外の土地の場合には、所有権移転登記をする前提として、地目を農地以外にしておかなければ所有権移転登記ができない。つまり、土地の売買ができないことを意味します。

②農地法第3条第一項、第4条第1項、第5条第1項または第18条第1項の規定に違反した者は、3年以下の懲役または300万以下の罰金が科される可能性があります(同法第64条)。つまり、罰則があることを意味しています。

農地転用を届出を自分で行う

ここからは、今回の本題でもあります、農地転用の届出を自分で行う方法を説明します。

まずは、提出書類を揃えます(※これは岡崎市役所のケースです)。

  1. 法務局から、土地の登記事項証明書(土地登記簿謄本)
  2. 法務局から、公図(×2通)
  3. GoogleMap等から、住宅地図(×2通)
  4. 農業委員会から、農地転用届出書(×2通)

加えて、場合によっては以下の書類が必要になります。

  • 無断転用がされている場合は、顛末書
  • 開発許可を要する場合は、開発許可の証明書
  • 登記事項証明書の所有者の住所が現住所と異なる場合は、住民票や戸籍の附票等
  • 相続した場合は、相続した証明書

などがあります。但し、各市役所によるため、きちんと確認してください。

上記を揃え、市役所の農業委員会に提出します。各市役所にもよりますが、基本的には1ヵ月以内で受理されます。

「農地転用」について、最後に

農地転用の届出は、行政書士もしくは司法書士の先生にやって頂くことが可能です。当然、依頼する場合は報酬が発生します。農地転用の届出では、3.0~5.0万円程度の報酬が必要になります。